三重県立美術館に、「没後80年 佐伯祐三展」を観に行ってきました。
今回の展覧会は、佐伯祐三が3年間滞在したパリ時代の作品を中心に、
代表作から近年紹介されずにいた作品まで、約95点という大変な数の
作品が一気に見られるというもの。
しかも、彼と交流があった画家達の作品展も合わせて開催という豪華さでした。
今まで佐伯祐三といえば、「郵便配達夫」とか、パリの街角の広告を描いた画家で
とても若くして亡くなった、くらいの知識しかなかったのですが、
今回の作品展は、彼の画学校時代の作品から亡くなる前までのものを、
年代別に展示・説明してあり、彼が"彼の独自性"を見つけるまで、
命を削るように模索してきた様子が、伝わるようになっています。
たしかに最初の頃の作品は、誰かの影響が色濃く入っていたり、
これはこの人にしか絶対に描けないという感じは受けませんでした。
パリにわたり、尊敬する画家から強烈な批判をうけ・・・
その後、さまざまな画家の模倣を重ねていくなかで、
自分だけのテーマ・モチーフを見つけていくことになるのです。
ちなみに彼の場合は、広告と煙突(からの煙)。
それによって、人々がそこに生活していることも表現できるんだとか。
彼の生涯を作品を通して感じるとともに、
自分以外のひとから受ける影響力、ひととのつながりがもたらす力が、
生きていく上で大きな影響を持っていることについても実感した気がしました。
この展覧会、三重県立美術館が巡回展の最後で、
今後もう二度と観られなくなる作品もあるそうです。
8/17(日)まで。
開館時間 09:30~17:00(入場は16:30まで)
休刊日 月曜日
もしいらっしゃるのなら、かなりの作品数です、
どうぞ時間をたっぷりとって、ゆっくりとご覧くださいね。
※ ちなみに、美術館に併設のレストラン「ボンヴィヴァン」では、
佐伯祐三がパリに滞在したことにちなんで、
"ポム・ド・テール(大地のりんご)=ジャガイモ"をテーマにした
軽いコースが供されています。
・・・最初のスープから、シェフの仕掛けが楽しめますよ!
もちろん、舌も目も大満足でした♪